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世界一希少で高価なコーヒーと言われる「コピルアク」。
 

「お店ではいくらくらいで買えるの?」
「カフェで飲むといくらくらい?」
「現地でも高いの?」
「そもそもなんでそんなに高いの?」

 

今回は、インドネシアでコピルアクに出会い、すっかりハマってしまった私がそんな疑問にお答えします。また「コピルアクの製造方法」を通じて価格が高い理由、本物・偽物の見分け方、コーヒー1杯に換算したときにどこで買うのがお得なのかもお伝えします。

目次

  1. ​コピルアクの価格、相場はいくら?
    ​1. カフェやホテルでのコピルアク一杯のお値段
    2. コピルアクの現地価格
    3. お店やネットショップでのコピルアクのお値段

  2. なぜ、コピルアクは高いのか?
    1. 圧倒的に少ない生産量
    2. 時間と手間のかかる製造工程
    3. コピルアクの需要の多さ

  3. ​まとめ

コピルアクの価格、相場はいくら?

​カフェやホテルでのコピルアク一杯の値段

お店によって幅がありますが、一番高いのは有名ホテルや高級ホテルで飲むコピルアクでしょう。
赤坂プリンスホテルのコピルアクは時価で、一杯1万円以上するときもあります。さすがに高級コーヒーと言っても、一杯に一万円を払うのは勇気がいりますよね。。。

 

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全部、1万円でお釣りが来ます。私が海外をバックパッカーで旅するときは、一万円と言えば、一か月分の食費です。。。
 

もちろん、有名ホテルや高級ホテルには凄腕のバリスタの方がいらっしゃって、その方の目利きやコーヒーを淹れる技術、エクセレントなサービス、空間なども価格に含まれていますので、妥当な金額ではあると思います。
 

それでは、普通の喫茶店やカフェの場合はどうでしょう。一杯3,000円~5,000円というところが多いようです。高級ホテルに比べてグッと敷居が下がりました。
 

それでも「これなら飲めそう。。。。」とはやっぱりならないですよね。。。。
 

普通のコーヒーが1杯500円くらいだとすると、6~10杯分のお値段です。スターバックスの高級店
「スターバックス リザーブ ロースタリー 」でも1杯1,200円くらいです。
いかにコピルアクが高いコーヒーかお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

値段はさておき、コピルアクを実際に飲めるカフェはものすごく少ないです。
東京や大阪などの都会ならまだしも、地方の方だとコピルアクを扱っているお店はないかもしれません。コピルアクを仕入れても、注文するお客さんが少なく、豆がだめになってしまい効率が悪いというのが理由のようです。昔、映画でコピルアクが有名になったときに扱いを始めたカフェや喫茶店もそこそこあったらしいのですが、それでも全然儲からないのでやめてしまったとのことです。

コピルアクの現地価格

それでは、現地のコピルアクの価格はどうでしょうか?
インドネシアのローカルなカフェですと、1杯15万~20万ルピアで飲むことができます。「高っ!」と思われたかもしれませんが、1ルピア=0.007円(2020年5月時点)です。日本円に換算すると、約1,100~1,500円。

 

輸出コストがかからないこと、人件費や光熱費等の経費が安い分、安く飲めるという感じですね。それでも、平均
月収が3~6万円と言われる現地の方の収入を考えるとある程度お金を持っている人じゃないと飲めないですね。

 

カフェではなく、現地のコピルアク屋さんのお店でコーヒー豆を買った場合は、100gで2,500~4,000円というところでしょうか(もちろんもっと高いものもあります)。

インドネシアのコピルアク屋さん

インドネシアのコピルアク屋さん。丁寧に製造工程を説明してくれたり、試飲をさせてくれるところもあります。

現地に旅行に行ったついでに、コピルアクを買ってくるのはなかなかコスパが良いと思いますが、100gで1,000円台といったものは要注意です。偽物の可能性がかなり高いです。

お店やネットショップでのコピルアクの値段

日本のお店やネット通販などで買った場合の相場はいくらでしょうか。
価格には幅があり、100gで2,500~10,000円くらいです。現地価格が2,500~4,000円ということを考えると、かなりお店が頑張って安く売っているか、ブレンド品などが混じっているかもしれないですね。

 

お店で100g5,000円でコピルアクを買ったとして、コーヒー1杯分に換算してみましょう。
 

1杯のコーヒーに8g豆を使うとすると、「一杯 約400円」!
 

だいぶ、コピルアクが身近になりました!
もちろん、普通のレギュラーコーヒーを家で淹れて飲むのに比べればかなり高いですが、カフェでコーヒー1杯飲むよりも安い金額になります。この価格で「世界一希少なコーヒー」を味わえると思えば、かなりアリではないでしょうか。

なぜ、コピルアクは高いのか?

説明したようにコピルアクはやはり高価なコーヒーです。一般的なコーヒーの10倍以上の価格はします。
 

では何故、そんなに高いのでしょうか?
 

基本的にコピルアクに限らず、モノの値段はモノの数より欲しい人が多ければ高くなります。また、製造コストがかかればかかるほど高くなります。

圧倒的に少ない生産量

まず生産量の少なさです。
野生のジャコウネコが野生のコーヒーの実を食べて、消化されずに出てきたコーヒーの種(コーヒー豆)を糞から採取したものがコピルアクです。それでは、一つの糞からどれくらいコーヒー豆が取れるかというと、わずか3~5gです。100gのコーヒー豆パックを作るのに、20~30個の糞が必要になります。一匹のジャコウネコなら、数日分の糞になります。製造過程で欠点豆などを取り除くことを考えると更に少なくなります。

 

しかも、野生のジャコウネコが住んでいるのは広い自然の山です。車が通れる道は少なく、徒歩で山道を歩き糞を探さないといけません。もちろん、全く糞を見つけられない日もあります。

天然のコピルアクは自然の山が農園になっています。広大な山を歩きながらコピルアクをさがすのは大変な作業です。

時間と手間のかかる製造工程

糞を採取してから商品化されるまでの製造工程の多くは手作業でやります。もちろん機械を使っているお店もあるでしょうが、手作業にこだわっているお店が多いです。そのため、機械でやるよりも人件費が高くなります。

ジャコウネコの糞をチェックするアリ氏

採取したジャコウネコの糞をチェックするアリ氏と農園のオーナー。コピルアクの製造工程はアナログな作業が多い。

またコピルアクの製造過程では、ただ単に待つという工程があります。
集めたジャコウネコの糞は、すぐに加工はされません。長い間、貯蔵して乾燥させるのです。十分に貯蔵して乾燥させた方が旨味がグッと増します。貯蔵する期間はお店によって異なりますが、味を追求するために数年もの間貯蔵するお店もあります。しかし、この長い貯蔵期間のために更に生産効率が落ちてしまうのです。

 

この「貯蔵」という工程は、全てのコピルアク屋さんがやっているとは限りません。製造コストを下げて安く販売するために、味を犠牲にして貯蔵を行いはないところもあります。

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目次

  1. ​コピルアクの価格、相場はいくら?
    ​1. カフェやホテルでのコピルアク一杯のお値段
    2. コピルアクの現地価格
    3. お店やネットショップでのコピルアクのお値段

  2. なぜ、コピルアクは高いのか?
    1. 圧倒的に少ない生産量
    2. 時間と手間のかかる製造工程
    3. コピルアクの需要の多さ

  3. ​まとめ

コピルアクの価格、相場はいくら?

​カフェやホテルでのコピルアク一杯の値段

コピルアクの現地価格

現地に旅行に行ったついでに、コピルアクを買ってくるのはなかなかコスパが良いと思いますが、100gで1,000円台といったものは要注意です。偽物の可能性がかなり高いです。

お店やネットショップでのコピルアクの値段

なぜ、コピルアクは高いのか?

天然のコピルアクは自然の山が農園になっています。広大な山を歩きながらコピルアクをさがすのは大変な作業です。

時間と手間のかかる製造工程

糞を採取してから商品化されるまでの製造工程の多くは手作業でやります。もちろん機械を使っているお店もあるでしょうが、手作業にこだわっているお店が多いです。そのため、機械でやるよりも人件費が高くなります。

採取したジャコウネコの糞をチェックするアリ氏と農園のオーナー。コピルアクの製造工程はアナログな作業が多い。

またコピルアクの製造過程では、ただ単に待つという工程があります。
集めたジャコウネコの糞は、すぐに加工はされません。長い間、貯蔵して乾燥させるのです。十分に貯蔵して乾燥させた方が旨味がグッと増します。貯蔵する期間はお店によって異なりますが、味を追求するために数年もの間貯蔵するお店もあります。しかし、この長い貯蔵期間のために更に生産効率が落ちてしまうのです。

 

この「貯蔵」という工程は、全てのコピルアク屋さんがやっているとは限りません。製造コストを下げて安く販売するために、味を犠牲にして貯蔵を行いはないところもあります。

コピルアクの起源・歴史

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​ジャコウネコが排泄した糞の中からコーヒー豆を探してきれいに加工して飲むコピルアク。
​一体いつ、誰がこんなことを思いつき飲み始めたのでしょうか?

今回は、そんなコピルアクの起源と歴史をお伝えします。
歴史を知っていただけると、より一層コピルアク体験を楽しんでいただけると思います。

オランダの植民地政策がコピルアクを生んだ

ジャコウネコがコーヒーの実を食べ、そのあと排泄された糞からそのコーヒーの実を取り出したものがコピルアクというコーヒーです。このことはご存じの方が多いと思いますが、なんでまたわざわざジャコウネコのうんちの中に入っているコーヒー豆でコーヒーを煎れようと思ったのでしょうか?普通にコーヒーを飲めばいいのにと思ってしまいます。

コピルアクの発祥の地はインドネシアで、その理由はインドネシアが歩んできた歴史にあります。
インドネシアは1609年から1949年までの約340年間もの長い間、オランダに植民地化されていました。植民地化というと、随分昔の話のように思いますが、まだ100年も経っていないんですよね。

この時期はインドネシアだけではなく、ベトナム(フランス植民地)、ラオス(フランス植民地)、マレーシア(イギリス植民地)、ミャンマー(イギリス植民地)、カンボジア(フランス植民地)、フィリピン(スペイン→アメリカ植民地)など多くの東南アジアの国々が欧米諸国に植民地化されていました。

今でこそ、侵略は悪だとか、人権がどうだとかが国際社会の大義になっていますが、ほんの数十年前までは当たり前のように植民地化が行われていたことに驚くと同時に、この数十年で欧米諸国が手のひらを返したように正義の定義を変えたことに驚きを感じてしまいます。

 

実は、オランダに植民地化される前まではインドネシアにはコーヒーの木がありませんでした。植民地時代の18世紀ごろ、オランダがインドネシアに持ち込んだのです。インドネシア人の安い労働力を使いコーヒーを栽培するというのが目的でした。
 

コーヒーというものはどこでも栽培できるものではなく、「土の質」「雨量」「湿度」「日の量」の条件が揃っていなければなりません。その条件を満たすのが、赤道を挟んで南北25度(コーヒーベルト)で、インドネシアはまさしくそのコーヒーベルト上に位置しています。安い労働力、コーヒーベルト上ということで、オランダは最高のコーヒー栽培地を手に入れたわけです。

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​世界的に有名なコーヒー生産地アチェガヨ。ここに生えているコーヒーの木もオランダが持ち込んだものです。(アリズコピルアク契約農園にて)

植民地時代のインドネシア人の生活環境は過酷でした。オランダによって多くの農地が強制的にコーヒー栽培に切り替えさせられたため、食品の自給体制は大きく減少したくさんの餓死者が出ました。この時期のインドネシア人の平均寿命は35歳までに低下したそうです。
インドネシア人は労働者ではなく、ほぼ奴隷として扱われていたのですね。インドネシアの植民地から得た利益は、オランダの国家予算の30%を占めていたと言われます。

 

もちろん、そんな状況に置かれているインドネシア人がコーヒーを楽しめる権利があるわけがありません。彼らはオランダ人がコーヒーを楽しむために、自分が楽しむことができないコーヒーを黙々と栽培するだけです。
 

「そこまでしてオランダ人が栽培を強要するコーヒーとはどんなものなのか?どんなに美味しいのか?」
 

当時のインドネシアの人々は気になって仕方がなかったはずです。
 

そんなインドネシア人たちにコーヒーを味わうチャンスがやってきます。
ある時、インドネシアの労働者たちがコーヒーの木がある山を歩いているときに、ジャコウネコの糞を見つけました。その糞の中にはコーヒーの実がそのままの形で残っていたのです。

コピルアクを発見する農園オーナー

コピルアクを発見する農園オーナー。雨季や雨が降った翌日にはコピルアクは糞の形をしていない。(アリズコピルアク契約農園にて)

ジャコウネコとはジャコウネコ科の動物で、約80種類います。アフリカ大陸、ユーラシア大陸、スリランカ、フィリピン、そしてインドネシアに生息しています。ネコというよりかは、かわいらしいタヌキのような顔をしています。ハクビシンというジャコウネコ科の動物が日本に生息していますが、これは外来種でどこかの時期に日本に入って来たようです。

お昼寝をするジャコウネコ

お昼寝をするジャコウネコ。ジャコウネコ科は夜行性が多い。

先ほどジャコウネコの糞の中にコーヒーの実がそのまま残っていたと言いましたが、正確にはコーヒー実の「種」です。コーヒーの実は種の周りに薄く付いていて、ジャコウネコはこの実の部分は消化できますが、種(コーヒー豆)の部分は消化できずに糞に混ざって出てきます。

コーヒーの実

赤色のものが熟した実。ジャコウネコは赤色の実だけを食べます。

このコーヒーの種が混ざった糞をみて、インドネシア人は思いました。
「なんということだ!コーヒーが飲めるチャンスだ!よし、飲んでみよう!」
正確にそう言ったかどうかは分かりませんが、汚いとかどうだとかは感じず、遂にコーヒーが飲めると最も気持ちが高ぶったことでしょう。

 

彼らは糞からコーヒーの種を拾い、きれいに洗い焙煎してコーヒーを作りました。
すると、なんとも言えぬ素晴らしいアロマを持ったコーヒーが出来あったそうです。
これがコピルアク誕生の瞬間です。

 

(コピルアクの味と香りについては下記の記事をご覧ください)
https://www.kopi-loewak.com/kopiluwak-flavor

ジャコウネコの糞の形のコピルアク

処理をする前のコピルアク。この後、きれいに洗浄して乾燥させる。

ちなみに「コピルアク」の名前に意味・由来は「Kopi(コピ)」がインドネシア語でコーヒーの意味、「Luwak(ルアク)」がインドネシア語でジャコウネコを意味します。インドネシアに行くと、いかつい風貌のおじさんでも「コピ!コピ!」と言っていて少しかわいいです。
英語のアルファベットで書くと「Kopi Luwak」という表記と「Kopi Loewak」という2種類の表記があります。「Loewak」というスペルの方が古く、オランダ植民地時代に使われていました。現在ではほとんどのお店が「Luwak」を使っていますが、コピルアクにこだわっているお店は、まだ「Loewak」を使っているところもあります。

コピルアクの誕生は、
 

1,インドネシアがコーヒーベルト上に位置していたこと
2,インドネシアがジャコウネコの生息地であったこと
3,オランダ人が植民地のインドネシアにコーヒーを持ち込んだ

 

3つのことが重なって起きたことなのでした。コピルアクは明るい歴史の中から生まれたわけではなく、悲しくつらい歴史の中から生まれたまさしくインドネシア人のコーヒーなのです。

映画「最高の人生の見つけ方」でコピルアクが世界的に有名に

そもそもインドネシアの人たちが楽しむためのコーヒーだったことと、かなり生産量が少なかったことで、当時はコピルアクは誰もが知るコーヒーではありませんでした。
そんなコピルアクが世界的に一気に有名になったきっかけが、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが出演した2007年公開(日本は2008年公開)の「最高の人生の見つけ方」という映画でした。
この映画の中でコピルアクはなかなか重要な役割を果たします。

最高の人生の見つけ方

また日本では「かもめ食堂」という映画の中で、コーヒーを美味しくするおまじないとして「コピルアック」という言葉が出てきます。この映画は2006年公開なので、日本でコピルアクが有名になったのが世界的に有名になったより先かもしれませんね。インドネシアのコピルアク屋さんで日本語の説明が多いのも納得がいきます。

かもめ食堂
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偽物や人工飼育のコピルアクが続出

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世界的にコピルアクが有名になると、コピルアクを飲みたがる人も増えていきました。
普通のコーヒー豆であれば農園を拡大するとか、工場を拡大するとかで生産量を増やすことが可能です。しかし、コピルアクは、野生のジャコウネコがおもむくままにコーヒーの実を食べて自然に排出されるものです。簡単に生産量を増やして、拡大した需要に対応することはできません。

そこで出現したのが、「偽物のコピルアク」と「人工飼育のコピルアク」です。

偽物のコピルアク

fake

「偽物のコピルアク」には、いくつかタイプがあります。
 

1,他のコーヒー豆を混ぜたブレンド品
2,全く別のコーヒー豆に香り付けをしたもの

 

「1. 他のコーヒー豆を混ぜたブレンド品」は、まさしく他のコーヒー豆を混ぜた商品です。
ブレンド品なのでいいじゃないかと思うかもしれませんが、問題はブレンド品と謳われていないことです。コピルアク〇%と書いてあれば問題ないですが、コピルアク100%と謳ってるのにも関わらず他のコーヒー豆がブレンドされているものがあります。もしくは何の表記もなく、コピルアクとだけ書いてあるが実はブレンド品というものも多いです。他の豆とブレンドすれば、同じ量のコピルアクでたくさんの商品を作ることができ、安く販売することが可能です。

 

もう一つのパターンは「2. 全く別のコーヒー豆に香り付けをしたもの」です。
全くコピルアクを使っておらず、他の豆に香り付けしただけのものです。本物コピルアクは甘くチョコレートのような何とも言えない素晴らしい香りがします。そのため、そのような香りに近づけるために、チョコレートやバニラのフレーバー人工的に付けます。これに関しては、安価な豆を使えば相当原価が安く付き、驚くような安価で偽コピルアクを売ることが可能です。

人工飼育のコピルアク

artificial

「人口飼育のコピルアク」は、野生のジャコウネコを捕獲して、檻の中で飼育するというものです。飼育されたジャコウネコは人間に無理やりコーヒーの実を食べさせられます。この方法であれば、コピルアクの生産量も計算でき計画的に増産できます。また、採取できるかどうか分からないコピルアクを山に探しに行く必要もなく、安定的に生産でき、大幅なコストカットも可能です。そのため、より安価(売れやすい価格)でお客さんに販売することが可能となります。
 

ちなみに、インドネシアのコピルアク屋さんに行くと、檻に入ったジャコウネコを見ることがあります。これは観光客がジャコウネコを見られるように飼育されているだけで、そこのコピルアク屋さんが人工飼育のコピルアクを売っているとは限りません。
 

コピルアクが有名になったこの時期ごろから、インドネシアだけではなく、ベトナムやフィリピンでも盛んに人工飼育のコピルアク屋さんが増えていきました。
 

しかし人工飼育のコピルアクが噂になると、イギリスの放送局BBCがインドネシア、フィリピンに潜入調査をしてコピルアクの実態についてのドキュメンタリーを作製します。このドキュメンタリーでは、ジャコウネコがかなり劣悪な環境で飼育され、無理やりコーヒーの実を食べさせられていたことが暴露されました。

コピルアクの現在の状況

current
コピルアク農園のオーナー

BBCの報道後、世界的なコピルアクの熱が落ち着いたこともあり、その当時に比べれば現在はコピルアクを売っているところは減少しています。それでも、まだたくさんの偽物や人工飼育のコピルアクが売られています。
同時に、今でも天然のコピルアクのみを出荷している農家さんやお店もあります。

残念なのは、そういった偽物が出回ることで、コピルアクの評価が落ち、そういった真面目な農家の方やお店が損害を受けてしまうことです。


人工飼育でもきちんとした環境で大事にジャコウネコを飼育しているお店や農園もあると思います。しかし、ジャコウネコの起源を振り返ると、コピルアクは自然からの贈り物であると言えます。ジャコウネコの意思や自然の法則に反したものはやはりコピルアクとは呼べないのではないでしょうか。

山まるごとが農園になっている山でコピルアクを探す農園オーナー(アリズコピルアク契約農園)

​まとめ

conclusion

コーヒー自体にも深い歴史がありますが、コピルアクにも深い歴史があります。
コピルアクはかなり高価なコーヒーです。何も知らずに飲むと、ただ単に価格が高いコーヒーになってしまいます。しかし、コピルアクの歴史、インドネシアの歴史を知った上で飲むと、また違った味わい方ができるのではないでしょうか。またその価値の高さにも納得できると思います。
「大量生産・大量消費・コスパ重視」のこの時代に、「非効率・希少」な本物のコピルアクをゆっくりと楽しむことは心の豊かさにもつながるような気がします。

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